英語の「フリートーク」において前もって2つ、3つのトピックを準備し、「このトピックから、まず話してみよう」という前向きなフリートークがしやすくなるTips〈ヒント〉を以前紹介しました。
しかし、先日中学生の生徒さんから修学旅行で京都へ行ったとき、めちゃくちゃ外国人観光客から話しかけられるのを嫌がられたという話を聞きました。
ある外国人観光客からは話かける間もなく、 “No thanks.” と取りつく島もなかったそうです。
その後、生徒は感じの良い外国人観光客ファミリーに会い、事なきを得たせいか、学校から与えられたノルマ、「外国人観光客、3組以上に声をかける」をクリアしたそうです。
しかし、よく考えてみると学校は生徒にも外国人観光客へも酷なことをしますよね。
学校側もノルマを与えるなら、トピックを前もって準備させ、質問に対する答えなどを用意させ、お互いが楽しく会話できるシチュエーションが展開できるところまで練習させてから、生徒にさせるべきでした(何のためのALTなのか…)。
外国人観光客だってたまったもんじゃありません。日本人の学生たちが話しかけてきたと思ったら、皆同じような質問ばかりで、最悪、会話が成り立たないこともあるわけですから。
実は学生に限らず、日本人がついやってしまいがちなことがあります。
それは、「自分の英語力を試したくて、質問ばかりしてしまう」という「おもてなし」のかけらもない行為だったのです。
これは私たちも同じですよね。質問ばかりされて会話が成り立たないと、良い気持ちはしませんよね。
なので、あくまでも質問はトピックの幅を広げるためのものであって、他人に不愉快な思いをさせないことが大事なのです。
そこで、質問攻めをしないためにたった一つの「おもてなし」で、フリートークを楽しくさせる方法を紹介します。
英語のフリートークで質問攻めする日本人のナゼ?
最初に断っておきますが、質問をすることが悪いということではないのです。
弊社の講師たちにも聞いてみたのですが、確かに伊豆や飛騨などの観光地に限らず韓国でも、
Where are you from?
どっから来たの? |
How long have you been here?
どれくらいここにいるの? |
Where did you go?
どこ行ったの? |
などと次から次へと質問攻めにあったことがあると言っていました。質問ばかりで、
I can’t be bothered.
面倒くさい。
とも笑いながら言っていました。
でも、講師たちは決して質問されることが嫌なわけではないのです。上記のような質問攻めが彼らを「面倒くさい」と言わしめてしまったのです。
上記理由が推測されるとしたら、外国人観光客や弊社講師たちに嫌がれるのも当然ですよね。そして、
外国人観光客や弊社講師たちが嫌なのは、
なのです。
質問した日本人が「お!通じた」と喜び、自分の英語が通じたことで自己満足できるかもしれませんが、外国人観光客や弊社講師たちはどうでしょう。
彼らは決して良い気持ちはしないですよね。
私たちはよく知らない同じ日本人に質問攻めなんかしますか?
絶対しませんよね。
「英語力がないから…」ではなく、日本人なら礼節をもち、外国人の人々に興味をもって身振り手振りでもいいから一生懸命話しましょうよ。
意外かもしれませんが、外国の人々は「分からないこと」には寛容です。ましてや、一生懸命な人ほど応援してくれますよ。
質問することは大事だけれども聞くことも大切
コミュニケーションも何もない矢継ぎ早の質問攻めが、外国人観光客や弊社講師たちは嫌いなだけで、決して質問されることが嫌ではないと分かってもらえたと思います。
以前紹介した英語の「フリートーク」において前もって2つ、3つのトピックを準備し、「このトピックから、まず話してみよう」という前向きなフリートークがしやすくなるTips〈ヒント〉でも紹介させてもらいましたが、質問することは重要で、5W2Hを使ってそのトピックの幅を広げることができます。
例えば、静岡県の三島駅前でたまたま観光に来た外国人に出会った場面をイメージしてみてください。
彼はスマホを見ながら、困っている様子です。
Scene in front of Mishima Station
What are you looking for? 何かお探しですか? I’d like to have something specially delicious in Mishima. 何か特別においしいものを三島で食べたいんです。 Well, how about unagi? Eels are called unagi. Mishima eels are especially delicious because they are washed with the clean water here. だったらウナギはどうですか?ウナギはeelsのことです。三島のウナギはここの綺麗な水で洗われいるため、格別においしいんだよ。 That’s good information. I’ll take unagi. それはいいことを聞きました。ウナギを食べにいきます。 |
フリートークに重要なのはコミュニケーションです。フリートーク=コミュニケーションといっても過言ではありません。
実は、相手が望んでいることなどを聞いてあげることがコミュニケーションを円滑にしてくれることを知っていましたか?
質問の仕方も、相手が聞きたいことを聞いてあげることで親近感や信頼感もグッと増しますよね。
「おもてなし」はフリートークにとってとても重要
さあここまでくると、観光客や外国人講師など、その他の外国人たちとフリートークで何がとても重要になるのかが分かってきたと思います。
それは、
この一点に尽きます。
例えば、あなたが住んでいる場所が地元なら、あなたのお気に入りの場所やお店などがいくつかあるはずです。地元でなくても、行ったことがあって良かった場所やお店などがあれば、それを教えてあげてみてください。
ガイドブックに載っているようなメジャーな観光スポットを教える必要はありません。
彼らが知りたいのは、地元の人だけが知っている場所やお店、あなたのお気に入りスポットなどです。
余談ですが、温泉好きの外国人の友人がいて、伊豆の温泉は好きだが値段が高いというので、
Scene at cafe
I love onsen. But it’s pretty expensive Izu area. 温泉が好きなんだけど、伊豆の温泉は高いね。 Why don’t you try “Healthy Park” in Susono city? 裾野のヘルシーパークに行ってみたら? Susono City can be closer than the Izu area. 裾野は伊豆より近くていいね。 “Healthy Park” is a hot spring that flows directly from the source. ヘルシーパークは源泉かけ流しの温泉なんだよ。 |
と、静岡県裾野市が運営している「ヘルシーパーク」を紹介し、連れて行くと、かなり気に入ったらしく暇さえあれば一人で通っているそうです(笑)
このように、観光客や外国人講師など、その他の外国人たちが求めているのは、地元の人たちとのコミュニケーションなどですが、地元の人しか知らないお勧めの場所やお店などを紹介して、そのどれかを気に行ったりすると、
「ありがとう」
となるのです。これは逆の立場も然りです。私たちも旅に出て、その現地の人のやさしさやおもてなしに接したりすると、感謝があふれ出ますよね。
つまり、そのお気に入りの場所やお店を教えてあげることは、「おもてなし」の心であって、出会ってコミュニケーションが取れたからこそ、相手が経験できたことなのです。
日本に来てくれた人と話す機会があるなら、「おもてなし」の心をもってフリートーク(コミュニケーション)に挑戦してみませんか。
「この素敵な場所を紹介したいな」とか、「このお店を友人に紹介したら喜ぶだろうなぁ」などと、「おもてなし」の心をもちながら事前にトピックを用意すると、フリートーク(コミュニケーション)もさらに盛り上がること間違いなしです。
まとめ
フリートークで質問することは決して悪いことではありません。
質問攻めすることが嫌がられるだけです。
むしろ、質問はトピックの幅を広げる効果があり、相手の聞きたいことを聞いてあげるというおもてなしの心で、コミュニケーションを円滑に進めることができます。
相手を思う、おもてなしの心でフリートークを始めてみましょう。
前回、『【フリートーク】質問する方法を学べば盛り上がる?』で、疑問文の種類について紹介しました。しかし、今回は最も重要な「WH疑問文」についてもう少しお話ししたいと思います。 まず、「WH疑問文」とは何でしょうか?[…]