英語の勉強を始めるに当たり、「何から手をつければいいのだろう?」と思っている人はたくさんいると思います。
ならば、効率かつ効果的に英語の勉強を始める方法を知りたいですよね。
そこで、おススメなのがロジカル・シンキング!
「ロジカル・シンキング」とは、「論理的思考」として知られ、論理的に考えることによって、複雑な物事を分かりやすく整理し、理解することができます。
また、論理的に話すことができれば、意見や考えをまわりの人に分かりやすく、円滑に伝えることができるため、コミュニケーションの必須スキルとしても活用できますよね。
その「ロジカル・シンキング」に特化した英語学習法を紹介します。
英語を学習する前の心構え
まずは、努力しても「できないこと」があることを理解する必要があります。
例えば、日本人の中にはネイティブの発音にこだわる人がいますが、わざわざネイティブの発音にこだわる必要はありません。
なぜなら、
人間の脳は本来、いかなる言語も母語にできる柔軟性を備えています。しかし、生後10カ月ごろから、“母語に必要のない機能”を失い、母語を集中的に吸収します。また、発音に関する回路は5歳くらいまでに出来上がってしまうという“臨界期仮説”が有力です。
by 田浦秀幸 立命館大学大学院言語教育情報研究科・研究科長
だからです。
つまり、一定の年齢を過ぎたら、ネイティブと同じレベルで言語を習得するのはそもそも不可能なことと理解することです。
ただ、その仮説が裏付けられつつあるのは発音に関してのみで、文法や語彙を学ぶ能力に限界はないとする説が有力です。
もし今から英語学習を始めるなら、ネイティブ発音にはこだわらず、
をたくさん憶えた方が効率かつ効果的です。
世界人口約73億人の中で、英語を話せる人は約25%の約18億人です。
そのうちネイティブはというと、約22%の約4億人、そして英語を第二外国語として話している非ネイティブは約78%の14億人もいます。
つまり、英語人口的には非ネイティブの方が圧倒的多数派であることが分かりますよね。
だから、ネイティブ発音にこだわらずに英語学習を心掛け、話せるようになれば世界中の4人に1人と自由にコミュニケーションが取れるようになるのです!
これって凄いことだと思いませんか?
このことからもネイティブの発音にこだわるのではなく、語彙や言い回しを憶えて、いろんな国の人々とコミュニケーションを取る方がいかに効率かつ効果的な学習方法であるのかを示してくれるとても良い事例です。
聞き流し英語の事例
「聞き流しの英語で話せるようになるの?」
という質問をよく聞きますが、ハッキリ言って高い英語力を身につけることは非常に難しいです。
赤ちゃんをよく例にしていますが、赤ちゃんはただただ親の言葉を聞いているばかりではなく、親が常にそばにいて、たくさんの言葉を話しかけ、声で伝えるからこそ、
「ママやパパは私にこんなことを言っているんだ」
と理解し、親との温かいコミュニケーションを重ねることで語学力を磨くことができます。
英語も然り!
ロジカル・シンキングで効率的かつ効果的に英語勉強を進めていけば、語彙力が高まり、言い回しをたくさん憶えることで、英語での
コミュニケーション力=英会話力
も自然と上達していくと期待できますよね。
英語を楽に使いこなす仕組み
英語を楽に使いこなすようになるためには、最初から語彙を知っていれば、英会話の中や英文読解において知らない英単語が出てくると、これはどういう意味だろうと前後の文脈から推測しなければならず、脳がフル回転をします。そうすると、脳が無駄な労力を使うことになってしまいます。
つまり、脳が疲弊してしまいます。
なので、自然と口から英単語が出てくるなど、
ということが、英語を学ぶ方法としては最大の武器であり、英語を楽に使いこなすための近道であるということです。
簡単な例ですが、自然な英語アタマとは、
“What do you think about Donald Trump?”
と聞かれたとき、わざわざ日本語には訳しませんよね。反射的に
“I think he is …”
とフレーズが出てくるのが、自然な英語アタマというやつです。
日本人はリスニングが苦手と言われる理由は、英語耳がないからと言われていますが、果たしてそうでしょうか?
実は英語には一部が省略や短縮されたり、隣り合う単語が繋がって発音されたり、全く違った音声変化というのがあります。
その場合、そもそも英単語通りの発音がされていなので、この音声変化を知らないと、予期しない音が聞こえた時にまた自分の脳を推測という労力を使ってしまい、同時に次に聞こえる音も聞き逃してはならないので、自分へのプレッシャーとなり、リスニングどころではなくなってしまうのです。
例えば、こんな感じ↓↓↓
・an∪apple アナッポー
・come∪in カミン ・kick∪it キッキッッ ・an∪orange アノーレンジ ・sit∪up スィタップ ・I hate∪it アイ ヘイリッッ ・pick∪it∪up ピッキッタップ ・Shall∪I move∪it? シャライ ムーヴィッ |
しかし、この音声変化を憶えることで、なぜ聞こえないのかを理解し、自分でも発音してみることで、英語に対して慣れてくるのでストレスなくリスニング力を高めることができます。
LとRの発音問題
残念ながら、日本語にはLとRの発音がありません。それでも前後の文脈から判断することで、LとRを混同することはまずありませんし、発音のやり方を理解してトレーニングすることにより、いずれ聞き分けられるようになります。
英語上級者になればなるほど文法に時間を割かれることはなくなり、語彙や言い回しの一部は字面を読まなくても、サッと見ただけで瞬時に判断できる自然な英語アタマになっています。
仕組みとしては、英語アタマの中では日本語が働いていたとしても、速読の訓練や、英語アタマに近づけるために語彙力や言い回し力を増加させることで、日本語訳を意識しないレベルまで効率かつ効果的に速読できるようになるからです。
それから、英語だけでなく全ての教科の学習において共通するのが
です。特に英語については、
という好循環が継続につながります。
自分の現在の英語力を把握することが大切で、特に語彙力やフレーズ力の強化(増加)を基本にほんの少しだけ上のレベルを目指し続けるのが英語アタマへの近道であり、最も効率的かつ効果的な勉強法です。初心者であれば中学校一年生の英語の教科書から始めるのが本当にベストです。
英語力をロジカル・シンキングで伸ばす(実践編)
英語力をロジカル・シンキングで効率かつ効果的勉強法は「読む力」と「聞く力」から英語力を伸ばすことがとても重要です。
もちろん、単語と文法も英語の基盤となるのでとても重要です。
英語と日本語では文の構造や発音がまるで異なっていることを理解することが大切です。
そこで、例えば、
・英語:I study English. (S + V + O)
・日本語:私は英語を勉強します。(S + O + V) |
認知能力が発達した私たちは上記英文や日本文を読みながら、聞くことで理解することができます。
そこで、その認知能力を利用することで、「読む」と「聞く」はともにインプットの作業であり、ほぼ同時に伸ばすことが可能なのです。
例えば、
・「シャドーイング」=音声を聞いた後、即座に復唱すること
・「ディクテーション」=読み上げられた文章や単語を書き取ること |
などのトレーニングが有効です。これらトレーニングを効率良く行うには、
がとても有効です。
「話す力」については、フレーズ(言い回し)を覚えると、英会話・コミュニケーションが取りやすくなります。
そのコミュニケーションは重要ですが、先生の推測力で会話が成立しても上達には程遠くなってしまうので、基礎力が不足していると感じているならば、優秀な日本人の先生に教えてもらうのが上達への近道です。
「書く力」については、指摘を受けながら完成文を作り上げる「プロセス・ライティング」が効果的です。
ロジカル・シンキングで英語力を伸ばすには
ロジカル・シンキングでもなんでも、英語力を伸ばすためには、
という、学習法に帰結します。そこで、ただ一つだけ言えることは、
「この方法を実践すれば、誰でもできるようになる」
なんてモノは残念ながら存在しません。
だから、
がとても重要です。
まとめ
英語を学ぶ人、みんなに共通の学習法があるのではなく、カスタムメイドした学習法が必要です。
まず、「ルール」を知り、「基本動作」を覚え、その上で目標に向けてトレーニングを重ね、実践形式で練習をする。そして、自分の弱点を見つければ、それを克服し、必要なスキルを強化し、さらに高いレベルへと必然的に上達していきます。
そう、野球、サッカー、テニスなど、英語アタマへの道とはスポーツのそれと酷似しています。
スポーツでいうところの「ルール」は、英語の「文法」に当たり、「基本動作」は「語彙」や「発音」です。大学受験までの学習では、文法や語彙は大抵身につけていますが、リスニングやリーディングのトレーニングや実戦形式での習得ができていない人がほとんどなのではないでしょうか?
また、英語を学びたいという人によって、
「英語で商談ができるようになりたい」
「報告書が書けるようになりたい」
「メールのやり取りを覚えたい」
など、目指すところが違うので、希望それぞれに取り組むべきメニューをカスタマイズしなければなりません。
また、効率かつ効果的に英語力全般の底上げをしたいのであれば、まずは「読む・聞く」力の向上から取り組むのがベストです。
読んでも理解できない内容の文を自分で書くことは不可能なので、聞くことができれば相手が言っていることから語彙や言い回しを学んでいくことも可能です。
そして何よりも英語アタマに大切なのが、スポーツにも通じる「継続する」ということです。
“Practice makes perfect”
「継続は力なり」
人間の脳は常に新しい情報を吸収していますが、一方で必要のない情報はどんどん整理され、破棄していきます。母語である日本語でさえ3年使わないと徐々になくなっていってしまいます。
なので、毎日できれば20分でも英語に触れることが英語アタマへの近道です。スポーツ同様、適切なトレーニングをコツコツ積み上げることで、日常英会話やビジネスに困らないくらいまでの十分なスキルアップが可能です。
ぜひ英語学習への一歩を踏み出そう!
というのも「学ぶ」と「習う」がセットで「学習」になるからです。
「習」という漢字は、雛鳥の子が羽をバタつかせて、親が飛ぶ様を真似して練習している姿を表しています。この「習」をせずに「学」だけになると知識だけで頭でっかちになってしまいます。
ただ知識だけ増やしても実際に英語学習をしなければ、英語力の向上は見込めないのです。
「学」だけでなく、「習」がセットで『学習』になる、英語学習への一歩を踏み出しましょう。